Cutting Sky


This is written as a third movement of the "okeanos" cycle (although each movement can be played independently.) The cycle is written for a combination of Japanese traditional instruments and western instruments. "cutting sky" features koto and a viola, which is played only with plectrum to match the plucked sound of the koto. This work is in a way written for an imaginary instrument - the "super-koto", as the plectrum viola acts as a sort of extension of the koto. As the rest of the four movements of the okeanos cycle have a fluid structure and feel to them, I wanted this movement to have a tautness and precision, as if cutting the air with the sharpest of swords!

Dai Fujikura (edited by Miranda Jackson)


Cutting Sky は「オケアノス」サイクルの第3楽章として書かれています(ただし、各楽章は独立して演奏可能)。このサイクルは、日本の伝統楽器と西洋楽器を組み合わせて書かれています。 Cutting Skyは、撥弦楽器である箏に合わせて、ヴィオラはギターピックで演奏されます。ピック演奏のヴィオラが箏の延長という感じでしょうか。
よって、架空の楽器、スーパー箏になるような感じ。オケアノスサイクルの残りの4つの楽章は流動的な構造と感触を持っているので、この楽章に、最も鋭い剣で空気を切るように、緊張感を持たせたかったのです。

箏と三味線ヴァージョンについて:
この作品が書かれて15年後の2021年。
当時は三味線という楽器を知らなかった僕。
2014年に書いた三味線ソロの作品「neo」をさかいに、たくさん三味線のために曲を書いた。
2020年の春からは、自分自身も三味線を習い始めたりもした。

そこで、ふと分かったのが、15年前の2006年、僕は知らずに三味線の音楽をヴィオラに書いていたのだ。
その証拠に、ギターピックで弾かれるこのヴィオラのパートが、ギターピックより何十倍も大きな三味線の撥で、ほとんど音符を書き換えることなく、三味線で演奏が可能。

こうして、箏と三味線の新たなバージョンができた。
いや、これが元々のヴァージョンなのかもしれない、ただ僕が知らなかっただけで。

藤倉大