Ki i te / きいて
藤倉大:きいて(2017、小林沙羅委嘱作品、世界初演)
Dai Fujikura: ki i te(2017, commissioned by S. Kobayashi, world premiere)

この曲は小林沙羅さんから二曲新作を頼まれた内の一曲で、沙羅さん自身の詩によるもの。
僕はほとんどオペラ以外の歌のパートは20年間コラボしている詩人と詩と作曲を同時に作っているので、今回は沙羅さんのもうある詩に音楽を付け る、という僕にとっては珍しい「ちゃんとした」というか古典的な作曲方法となった。
なのにどうしてこんな曲になっちゃったか、というと、(どうしてこうなったんだろうなぁ)恐らく最初に小林沙羅さんのリサイタルを聴きに行った時 の印象によるものだと思う。素晴らしいリサイタルで、沙羅さんの正統派ソプラノ!みたいな、子供番組の司会者みたいな優等生のお姉さん的印象が あった。その時即座に僕が思ったのは、こういう優等生な感じの人に正反対なちょっとグロテスクな感じのある変な曲を歌ってもらったら面白いだろう なぁとということ。それに詩がストレートな美しいものだったのでその逆の事をしよう、と。とてもオブセッシブな曲で、恐らくソプラノリサイタルな ので他に「おほほほ」みたいな典型的なソプラノ作品があるでしょうから、それらと対極的で面白いかな、と思って書きました。(藤倉大)


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