infinite string

"infinite string" is about the very beginning of life. After fertilization, cells multiply, and rapidly replicate their DNA. I used the the timbre of tutti strings as if they were a growing zygote, rapidly changing in shape whilst creating more packets of the same information. The result is that a body of sound grows out of these small packets of musical information.

I have composed quite a few compositions which are inspired by the early stages of life - often from my wife’s perspective - 3 months; (my butterflies); 6 months (Rare Gravity); birth (Mina); 2 days old (Three Miniatures); 4 months old (Poyopoyo) and so on.

Dai Fujikura (edited by Harry Ross)

infinite stringはニューヨーク・フィルハーモニック、NHK交響楽団、アンサンブル レゾナンスの三者の共同委嘱で書かれた弦楽オーケストラのための作品です。今までに何曲か自分の娘の誕生や発育からインスピレーションを受けた作品を書いてきました。
今回はそれの原点である、受精後の細胞分裂がどんどん行われて、あらゆるDNAの情報が発現し、命が宿る、という事からアイデアを得ました。
弦楽オーケストラは、他の楽器のオーケストラと違い、エレクトロニクスのテクスチャーのように自由自在に変化できる音の素材だと僕はいつも思います。

最初の激しいトレモロから音域も音色も自由に変化していき、そのトレモロから次のセクションへと行く時などは、電子スタジオでつまみを回して音色を徐々に変えていっていくような感覚で作りました。
この作品は不思議で、冒頭部分はできたものの、その次のセクションに繋がる部分がなかなかうまくできず、毎日書いては、その書いた部分はいいのですが、冒頭部分と新しいセクションが繋がらない、という事が多々起きました。それを何回も何回もやっていくと、幾つもの新しい素材がそのトレモロから生まれるのですが、そのトレモロの部分とその新しい部分が繋がらない、よって「この曲のどこかに使われるだろうな、と思われる素材」というのが沢山断片的にできる、という状態になります。一つの断片は2分くらいの演奏時間のものだったり、一つは20秒くらいのものだったり。
そうして、沢山の全く違う性格を持つ音楽の素材が冒頭のトレモロから出来上がっていきました。全てバラバラで繋がっていない状態。そうして、ある日、この書きかけの楽譜を眺めていると、いきなり、今までバラバラだった全ての断片が一気にばあああっと繋がったのです。あたかも最初からそうあるべきだ、というように。
そうしてこの作品はできました。ですから、本当にある意味、冒頭部分が細胞分裂して、出来上がった細胞群の各部位から体内のそれぞれの臓器が作られ、最終的には人間の子供なら人間の胎児が母体の中で作られていくかのようでした。
いつも作曲は試行錯誤して、予想と全く違う作品に育ったりする事も多いのですが、作品自身は(僕は自分の作品はいつも「人」と例えるのですが)もうすでにどういう作品に仕上がるべきか知っていて、その計画を僕にはわざと知らせず、僕には試行錯誤させつつも、最終的には完成作品に導いてくれる、という不思議な生活を毎日させられています。
たまにはすんなりと完成に導いてくれたらいいのに、と思いながらも。

藤倉大



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