Accompanying Franz

この作品はシューベルトの歌と関係した作品が欲しい、、、というリクエストの元作られました。作曲家としては(というか僕個人的には)リクエスト付きというのは、とても書きにくいのですが、それと同時にチャレンジでもあります。

まず僕が思ったのは、シューベルトの歌はどれもとても有名ですし、どうせ僕がどう頑張ったとしても、「やっぱりシューベルトの歌曲って素晴らしいですね」って僕の作品を聞いた後に言われるに決まってるのだから、シューベルトの歌の部分(声のパート)は全く無視し、歌の伴奏パートからアイデアを得て書こうと思いました。

Lindenbaum の後で演奏されるので、Lindenbaum の左手の部分を声にして、それからどんどんと声のタイプ、「歌う」「話す」「小声で歌う/話す」を変化させたりして、とにかく素材はシューベルトの歌の伴奏から少し取り、どこまでワイルドに、シューベルトからかけ離れた音楽ができるか、、というのを目指しました。

詩はいつもコラボをするHarry Ross氏によるもので、僕らは作曲と詩は同時進行で作っていきます。

あと、僕は今まで声を「歌う」以外の音は書いた事が無いのですが、今回は短い作品ということもあり、歌う、舌打ち、口笛をすごい速さ交差させる、、、というものも試してみました、というのもこれを歌うLore Lixenbergはこういう技術が特に優れた人で、彼女からいただいたCDなどは、いったい口の中に何人人がいるのだ?というくらいいろんな音色を声で(口で)作る事の出来る人です。それもあって、今回試してみました。この作品は短いですが、僕にとって新たな方向が見えたかな、,,と思います。

藤倉大



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